推薦者からのメッセージ

作家・セミナーリーダー アラン・コーエン

『ファインディング・ジョー』の映画に参加できたことは、私にとって大きな喜びであり、光栄に思っています。ジョセフ・キャンベルは今日もっとも洞察力にあふれた一人です。彼は「英雄の旅」を図式化し、「至福を追及せよ」というメッセージの重要性を強調しました。

「至福を追及せよ」というガイダンスは、日本人の皆さんにとってとても重要なメッセージだと思います。皆さんはきちんと外側の権威の指示に従うように教わってきています。日本人の皆さんにコーチングを行う際に、もっとも答えるのが難しい質問は、「あなたはどうしたいですか?」というものです。しかし、これは大切な問いかけです。幸福とは、他人がその人自身のために受け取ったガイダンスに従うことでは、学べません。あなた自身の内側の喜びの声に耳を傾け、それに基づいて行動することによって到達できるのです。

「英雄の旅」とは、皆さんの旅そのものです。あなたが、「あなた自身のストーリーの英雄」なのです。その旅は、日常生活の中から始まります。仕事や結婚生活、家庭生活を営みながら、社会からこうすれば幸せになると教わった方法で、一生懸命幸せを見出そうと努力しています。しかしまだ何かが足りないと感じます。何が足りないのかはっきりは分からないけれども、まだ見出せていないものがあると分かっている状態です。そして何かより大きな現実を求めようとするきっかけになる出来事が起こります。離婚したり、職を失ったり、健康を害したり、引っ越さなくてはならなくなったり、問題に直面します。より深く見つめて、大きな問いかけをし、人生の変化の意味を解明するように仕向けられます。癒しやバランスを見出さなくてはなくてはなりません。そこでは広大な宇宙のわくわくとした一面を垣間見るかもしれません。本を読んだり、セミナーに出たり、師に出会ったり、恋に落ちたり、神秘的なヴィジョンを見たり、シンクロのような出来事を体験します。より深い真実を渇望し、それを見出すためにはできることをすべて行おうと思います。

その道すがら、師や悪魔に出くわします。師とはあなたに教えをもたらし、導き、触発し、守ってくれます。悪魔とは、「お前にはそんなことなどできない!」といってチャレンジをしかけてきます。しかし悪魔すらもあなたを助けています。なぜなら悪魔はあなたが自分自身の内側に到達し、そのチャレンジを克服するために強さを身に着けるきっかけを与えてくれるからです。

「英雄の旅」のある地点には、死があります。通常は肉体の死ではなく、「小さな自分」の死です。しかしその死は終わりではありません。「小さな自分」がいたところに「より大きな自分」が生まれます。

その旅を通して、あなたはギフトを手に入れます。それは生き方、癒し方、貢献の仕方、どのようにこの世界をより良いものにしたら良いか、などの気づきです。そしてあなたは世界に戻り、ギフトをもたらします。あなたの旅はあなた自身のためだけでなく、あなたが助けることのできるすべての人のためでもあります。

あなた自身の喜びに従うことは、あなた自身の旅を推し進め、他人を助けるための鍵となります。もし罪悪感や恐れ、義務に従えば、あなた自身の至福を見過ごすでしょう。心は頭よりも、パワフルにあなたを導いてくれるでしょう。

この映画『ファインディング・ジョー』をご覧頂く方は、すでにあなた自身の旅にいると言っていいでしょう。心に従って下さい。すると必ずうまくいくでしょう。

■ アラン・コーエン 公式サイト : http://www.alancohen-japan.com/

image

ソーシャルファシリテーター・カウンセラー 中野裕弓

「Follow your bliss 至福を追及せよ」ジョーゼフ・キャンベルの力強いこの言葉に勇気をもらった人は世界中にたくさんいることでしょう。私もその一人です。至福を追及することはとりもなおさず自分の本音に耳を傾け、責任をもって自分の人生の舵取りをすること。建前や人の思惑を気にしながら、周りに流されてきた生き方から、自分らしい自由な生き方にシフトすることです。一人一人が自分の本音に忠実に、feel goodで心が喜ぶ方向に進むなら、あっという間に世界は混沌から調和に移行するはずです。

この「英雄の法則」は限られた人たちにだけ与えられた特権ではありません。“法則”なのですから、誰にでもあてはまる普遍的な真実が描かれています。だから誰にでも参加可能な旅なのです。今まで何とも思わないでこなしてきた仕事や人間関係にちょっと違和感が出てきた時はチャンスです。この映画に出てくる人物たちや取り上げられた映画の登場人物のように、思い切って新しい生き方を模索してみませんか。そこには無難なルートでは味わえないワクワク感が満載で、いい仲間との出会いも待っています。

私たち人間は限りない可能性を持っているといわれています。でもその可能性のスイッチにONできる人とできない人がいるのだと思います。この映画はそのスイッチをONにするきっかけになります。その気になれば誰でも歩める「ヒーローズジャーニー」、そしてその旅は片道切符ではないということ、つまり必ず元いたところに戻ってくる旅だというのが安心でもあります。旅の中で遭遇する出来事と向き合い、それを超えて彼らは一回りも二回りも大きくなって元のところに帰還してきます。その時には、同じ現実も全く違う感覚で受け止め、旅で培ったバージョンアップした対応の術も携えています。そんな彼らを見て、周りの人も大いに影響をうけます。そういう大人が増えることで、子どもたちの将来への夢も希望も大きく広がっていくでしょう。

混沌とした現代の社会状況のなか、自分の将来に漠然と不安を抱いている人も多いのが実情です。この映画が今、日本で上映されるのはとてもいいタイミングだと思えます。この映画をご家族、親しい人たち一緒に体験できたら、その後のお互いのジャーニーを応援しあえる仲間になるのでお勧めです。自分の人生の手応え、充実感を他人任せにせず、積極的に至福を追及する方向に人生の舵取りをする人たちが増えますように。

■ 中野 裕弓 公式サイト : http://www.romi-nakano.jp/

image

ドキュメンタリー映画「地球交響曲」プロデューサー 龍村ゆかり

ジョーゼフ・キャンベルの紡ぎだす神話の力に触れて、感銘を受けた人は数知れないことでしょう。ページをめくる度に、何か生命の源からたぎるものが溢れてくるような、じっとはしていられなくなるような昂揚感、斯く言う私もその一人です。

キャンベルの見いだした神話の法則は、私たちお馴染みのハリウッド映画を始め、数多くのストーリーに活用されています。とはいえ、どこか共通パターンのあるヒーロー映画は好きじゃない、という人もいるでしょう。(実は私も先が見えてしまって楽しめなかったのですが。)

私たちはよく、「人はなぜ生まれ、死ぬのか」とか「この世に生まれてきたミッションは何?」と生きる意味を探し求めたがります。ところがキャンベルは「人間が本当に求めているものは、今を生きている経験なのだ」といいます。

様々な試練を乗り越え、真実の自分を取り戻す人生の旅のなかに、至福や生きている無上の喜びをみつけ、そしてその旅から得たものを分かち、他者に仕える知恵と力に変えること。それが生きることの本質なのだと、キャンベルは世界中の神話をひもとくなかから見出したのです。はるか昔から語り継がれる物語には、生きるための示唆的なメッセージが隠されています。その神話の力は、普遍なるものとしてどんな時代であろうと厳然と存在しているのです。

「ファインディング・ジョー」のジョーとは、キャンベルの愛称であり、キャンベルを探しに行くということは、真の自分を探す旅に出かけるということ。

この映画にはキャンベルをこよなく愛する人たちがたくさん登場します。キャンベルに寄り添いながら、英雄の旅について情熱的に語りかけてきます。

この先、自分自身も何度も失敗したり、うまくいかなくて落ち込むこともあるでしょう。そんなとき、「どうして生まれてきたのだろうか」などと生きる意味を求めるのではなく、今ここに生きているんだ、生かされいるんだ、そのことをしっかり感じ取りたいと思うのです。この映画を通して情熱的に語りかけてくる人たちの笑顔がきっと私の助けになると確信しています。

私の人生のヒーローは、他の誰でもない、私自身しかあり得ない、のですから。そうですよね、キャンベルさん。

■ いのちの環 公式サイト : http://motherspirit.org/
■ 地球交響曲 公式サイト : http://gaiasymphony.com/

image

ワークショップ企画プロデューサー・同志社大学教授 中野民夫 「個人を救う旅」が世界を救う

私は数年前、腰椎椎間板ヘルニアで入院した時、前に一読したキャンベルの『神話の力』を無性に読み読み返したくなった。そして「自分の至福を追求しなさい」というキャンベルの言葉に出会い、いたく感動した。以後、様々なワークショップで触れてきたし、最近教員になった大学でも「至福の追求と社会変革」を研究テーマにしている。

「至福の追求」などというと、わがままではないか、と思われがちだが、キャンベルは「個人を救う旅」が、「世界を救う旅」になると言う。「人々は、物事を動かしたり、制度を変えたり、指導者を選んだり、そういうことで世界を救えると考えている。ノー、違うんです!生きた世界ならば、どんな世界でもまっとうな世界です。必要なのは、世界に生命をもたらすこと。そのためのただひとつの道は、自分自身にとって生命のありかを見つけ、自分がいきいきと生きることです」と。

確かに総理大臣が毎年変わっても世の中は良くならない。指導者や制度の問題もあるが、一番大事なのは、私たち一人ひとりが、心や身体の奥底が喜ぶこと、いのちが輝くことを大切にして、いきいきと生きることなのだ。そういう社会は、おかしいことにはおかしいと言えるし、疲れた時は助けて!と言えるような、率直にありあえる社会になるだろう。そんな「生きた世界ならば、どんな世界でもまっとうな世界」だというキャンベルの言葉は、「これが正しい!」と競いあい戦ってきたイデオロギーを超えた普遍性があると思う。

“Follow your bliss”は、「自分の至福を追求しなさい」とか「あなたの至福に従いなさい」と訳されているが、最近は私は、「自分の至福について行きなさい」という方がしっくりくる。それは、「追求する」とか「従う」という強い意志的・能動的な姿勢よりも、なにかの瞬間に浮上する自分の無上の喜びを大切にし、そのほのかなサインに耳を澄ませ、ついて行くこと、だと思うからだ。

そのためにも、「英雄の旅」の映画で出てくる、「英雄」「成功」「幸福」などの大きな言葉に惑わされないようにしたい。それは一人ひとり、本当に違うはずだから。親や周囲の人々やメディアによって形成された「成功」や「幸福」のイメージから、まずは自由になること。そして、他とは違っても、自分のこれまでの考えとは違っても、縁と直観を頼りに、自分のからだが自然に反応する方へと流れ続けていくこと。それには、勇気がいる。なぜなら、自分自身を縛りつけているのは、実は自分の恐れに他ならないのだから。自分の恐れに向き合い、上手につきあいながら、自分自身にとっての英雄になる道を歩み続けたいと思う。

■ 中野 民夫 プロフィールページ(同志社大学 政策学部):
  http://policy.doshisha.ac.jp/faculty/nakano-info.html

image

ページトップへ戻る